日本の伝統行事「もみじ狩り」
日本には、四季の移り変わりを最大限に楽しむという文化があります。秋は、木々が赤や黄色に染まる紅葉(こうよう)の季節です。
「紅葉(こうよう)」は、寒暖の差で葉っぱが赤や黄色に変わる自然現象を指す言葉ですが、同じ「紅葉」という漢字を「紅葉(もみじ)」と読む場合は、「紅葉(こうよう)した木」を指します。
代表的な木は「楓(かえで)」です。「もみじ」は、楓の別名にもなっています。
他にも、紅葉(こうよう)する木には「イチョウ」や「コナラ」があり、それらの木が多い地域は、紅葉(こうよう)の名所として秋になると多くの観光客が訪れます。
もみじ狩りとは?
美しく紅葉した木々を見学しながら散策することです。
「狩り」は元々、鹿やイノシシなどの大きな獣の狩猟を指す言葉ですが、やがて「花などの美しいものを手に取って愛でる」という意味としても使われるようになりました。
紅葉した葉を手に取る時は、木に生えている葉や枝を折り取ることはせずに、地面に落ちている葉を手に取りましょう。
綺麗な葉を見つけたら、持ち帰って栞(しおり)に加工したり、アースティックに飾ってインテリアにしたりする人もいます。
紅葉(こうよう)の名所三選
これから、日本を代表する紅葉の名所を3箇所ご紹介しましょう。
大分(おおいた)県「耶馬渓(やばけい)」
耶馬日田英彦山国定公園(やば ひたひこさん こくていこうえん)内にある、火山活動によって台地が削られてできたユニークな形の岩が転がった渓谷です。
「本耶馬渓(ほんやばけい)」「裏耶馬溪(うらやばけい)」「深耶馬溪(ふかやばけい)」「奥耶馬溪(おくやばけい)」の4つのエリアがあります。
人気があるのは巨大な奇岩が1kmも連なる「競秀峰(きょうしゅうほう)」や「羅漢寺(らかんじ)」のある「本耶馬渓」です。
ドライブコースやサイクリングロードもあるので、さまざまな形で紅葉狩り(もみじがり)を楽しめます。
また大分県は、日本一温泉が多い県で、耶馬渓付近の宿にも温泉があります。紅葉を見た跡は、ゆっくり温泉に浸かって旅の疲れを癒しましょう!
紅葉は11月が見頃です。
名称 | 耶馬渓 |
ウェブサイト | https://yabakei.com/ |
電話番号 | 0979-52-2432(耶馬渓観光開発株式会社) |
住所 | 大分県中津市(おおいたけん なかつし) |
地図 |
栃木(とちぎ)県「日光(にっこう)」
栃木県を代表する温泉地の1つで、自然の中に歴史的に重要な場所も多く、日本の学生たちの修学旅行先にもなっています。
江戸幕府(えどばくふ)の初代将軍「徳川家康(とくがわ いえやす)」の墓所である「日光東照宮(にっこう とうしょうぐう)」が有名です。17世紀の建築様式が色濃く残っていて、建物に施された彫刻も見事です。
また東照宮周辺にある、97mの高さから落ちる「華厳滝(けごんのたき)」や、日本一高い場所にある湖「中禅寺湖(ちゅうぜんじこ)」なども人気の観光スポットで、秋になると一面の紅葉と共に楽しめます。
自動車でドライブする時は、ぜひ「いろは坂」を通ってください! 紅葉の中に鹿や猿などの野生動物をチラチラと目にすることができるでしょう。
「いろは」とは、日本のひらがなを1文字づつ使っている言葉遊び歌で、同じ文字は出て来ません。昔の言葉遣いで、現在はあまり使われない昔の字も使っているので少し難しいですが、このような歌です。
いろはにほへと ちりぬるを (色は匂えど 散りぬるを)
わかよ たれそ つねならむ(我が世 誰ぞ 常ならん)
うゐ(wi)の おくやま けふ こえて (有為(仏教用語:因縁から生じるすべて)の奥山 今日越えて)
あさき ゆめみし ゑ(we)ひもせす (浅き夢見し 酔いもせず)
この歌の意味ですが、『花は色とりどりに咲き誇っていても、やがて散ってしまう。私が生きるこの世では、一体誰が永遠に生きていられるというのか。今日、人生という険しい山を越えた。儚い夢を見たり、酔うことはもうしないだろう』といった感じです。
いろは坂には、ちょうど48のカーブがあり、それぞれに「いろは歌」の順番と最後に「ん」を加えたひらがなの看板が立っています。カーブを過ぎるたびに、車内のみんなで看板を読み上げてみましょう!
見頃は10月です。
名称 | 日光 |
ウェブサイト | http://www.nikko-kankou.org/ |
電話番号 | 0288-22-1525 (日光市観光協会) |
住所 | 栃木県日光市(とちぎけん にっこうし) |
地図 |
京都府「嵐山(あらしやま)」
京都の市街地から見て西側にある温泉観光地です。中世には貴族の別荘地ともなりました。
メインシンボルである「渡月橋(とげつきょう)」は、季節によって味わいが変わる名所で、秋になると一面の紅葉が川面に映ります。
周辺には歴史がある寺社が多く、特に「常寂光寺(じょうじゃっこうじ)」や「天龍寺(てんりゅうじ)」の庭園も紅葉の名所となっています。また、広い竹林も「日本らしい風景」として外国人観光客に人気です。
ただし、この地域は普段から人気の観光スポットで、紅葉の季節になると狭いエリアに観光客が溢れて大変な混雑になります。特に世界遺産にもなっている天龍寺は、入るまでに何時間も並ぶこともあります。
寺社の門が開く直後、朝8時頃から散策するのがよいでしょう。
朝早くから嵐山を散策し、昼はカフェやホテルのテラスでのんびり過ごし、早めにホテルに帰って温泉で疲れを癒すというのが、おススメコースです。
見頃は11月です。
名称 | 嵐山 |
ウェブサイト | http://www.arashiyamahoshokai.com/ |
電話番号 | 075-861-0012(嵐山保勝会) |
住所 | 京都府京都市右京区(きょうとふ きょうとし うきょうく) |
地図 |