日本の秋を華やかに彩る「紅葉(こうよう)」

20/01/2020

皆さんは「紅葉」をご存じですか?秋になると、木々の葉が緑色から赤や黄色、褐色などに変化する自然現象のことです。とはいえ、すべての木の葉の色が変わるわけではありません。サクラやモミジ、ブナやイチョウなど、冬になると葉っぱが木から落ちる「落葉広葉樹」のみが紅葉します。

秋になると、これまで深い緑色をしていた木々の紅葉が始まり、日本中の野山や都市が赤や黄色に美しく色づきます。日本の野山には「落葉広葉樹」が多いため、この時期の色彩変化はひときわ見事です。そしてイベント好きな日本人のこと。秋の紅葉は、春の桜の開花と並んで、多くの日本人が楽しみにしている一大イベントなのです。

それにしても、普段は緑色の木の葉が、秋になるとどうして赤や黄色に変わるのでしょうか?このコラムでは、紅葉が発生するメカニズムについて詳しくご説明しましょう。

紅葉のメカニズム

秋になり、日差しが弱くなって温度が下がり、かつ日照時間が短くなると、光合成の働きが低下していきます。そうなると、木は葉を不要なものと判断し、葉への栄養供給をストップして落とす準備を始めます。その結果、葉っぱを緑色に見せている色素(クロロフィル)が分解され、別の色素と作用して、赤や黄色に色づくわけです。

葉の色が黄色くなる種類では、緑色の色素「クロロフィル」が分解されて無くなってしまい、その代わりに元々存在している黄色の色素「カテロイド」が目立つようになるため、葉全体が黄色く染まります。葉の色が赤くなる種類では、「アントシアン」という赤い色素が新しく合成されます。褐色になる種類では、タンニン性の物質や、それらが複雑に酸化重合した「フロバフェン」という褐色物質が蓄積されます。それら、新たに合成された色素の働きで、緑色だった葉がそれぞれ赤や褐色へと色を変えるのです。

紅葉が終わると葉は散ります。紅葉はいわば木の葉の老化現象であり、葉としての生命を終える前の最後の生命の輝きでもあるのです。

美しく紅葉するための条件とは?

気候条件によって、紅葉の美しさは変わってきます。一般的には、①日中の天気がよく、②昼と夜とで寒暖の差があり、③適度な雨や水分があると、紅葉が美しくなると言われています。また、この他にも「台風の影響が少ない」ことも重要な条件です。

葉の色が赤く染まる種類

代表的な木は、モミジやサクラ、ツツジなどです。

京都のある山寺へと続く道を赤く染めたモミジの紅葉

浅草で夜に見た、サクラの紅葉と東京スカイツリー

燃えるような赤色に染まる、兵庫県(ひょうごけん)安国(あんこく)寺の庭に植えられたドウダンツツジの紅葉

葉の色が黄色く染まる種類

代表的な木は、イチョウやヤナギなどです。

北海道大学の街路を黄色く染めるイチョウ並木の紅葉

京都 円山(まるやま)公園のヤナギとモミジの紅葉。手間での黄色く染まった葉がヤナギです。

葉の色が褐色になる種類

代表的な木は、ブナやスギ、ケヤキなどです。

青森(あおもり)県 十和田(とわだ)市。オレンジ色に染まったブナ林が湖面に映り、燃えるように見事な景色を作り出しました。

滋賀(しが)県 マキノ高原に向かう道沿いに植えられたメタセコイヤ(スギの一種)の街路樹。2.4kmにわたって、オレンジ色の紅葉のトンネルが続きます。

日本の秋を華やかに彩る「紅葉」のメカニズムをご紹介しました。それにしても普段は緑色の木の葉が、どのようにして赤や黄色や褐色に変えるのか、その仕組みは解明されましたが、紅葉することで木にとってどのようなメリットがあるのか、つまり木が「なぜ」紅葉するのかは、現代科学を持ってしてもいまだに分からないそうです。それでODAJIは、勝手にこのように考えています。「紅葉も桜の開花も、人間の心を楽しませるための神様からの贈り物に違いない」と。