和の調味料-味噌についての基礎知識

20/01/2020

和を代表する調味料のトップバッターは「味噌(みそ)」です。さまざまな調味料の中でも、日本人にとってもっとも身近な存在で、日本全国どこに行っても味噌はあります。そしてそれぞれの土地で味噌は地元の人たちに愛され、味噌を調味料として使った料理が、毎日のように家庭の食卓に並ぶのです。

今回は「和の調味料-味噌についての基礎知識」と題して、日本の「ソウルフード」とも言える「味噌」の種類や原料、作り方といった基本的な情報をご紹介します。

味噌の種類

味噌の原料は、基本的には大豆(または麦)、麹(こうじ)、塩の3種類しかなく、とてもシンプルです。ですが、日本では各地域の地形や気候、またその地域で採れた素材を使って味噌が作られてきたため、そのバリエーションは驚くほど豊かです。日本全国に1000件以上の蔵元(味噌工場)がありますが、1000種類の味噌があると言っても過言ではないほどです。とはいえ、原料や味、色によって、次のように大きく分類することができます。

「原料」による分類

味噌は大きく分けて米味噌(こめみそ)、麦味噌(むぎみそ)、豆味噌(まめみそ)、調合味噌(ちょうごうみそ)の4種類に分類できます。現在、日本でもっとも多く生産されている味噌は「米味噌」で、味噌全体の約8割にも上ります。

米味噌
大豆に米麹(こめこうじ)を加えて作った味噌のこと。日本全国で生産されているが、その地域の地形や気候によって風味はさまざま。例えば、北海道や東北などの寒い地方では赤い色の辛口味噌が主流で、逆に大阪から西の地方では、甘口の白味噌が多く生産される
麦味噌
大豆に麦麹(むぎこうじ)を加えて造った味噌のこと。中国、四国、九州地方を中心に生産される。
豆味噌
大豆のみを主原料とした味噌のこと。東海地方を中心に生産される。
調合味噌
米味噌、麦味噌または豆味噌を2種類以上配合して作る味噌。または、米味噌や麦味噌、豆味噌以外の味噌。

「色」や「味」による分類

どの味噌も基本的な原料はほぼ同じですが、作り方によって色と味が変わってきます。色の違いは、発酵の際に起こる「メイラード反応」が原因で生じます。「メイラード反応」とは、原料の大豆に含まれるアミノ酸が糖と反応して褐色に変化する現象のことです。大豆を高温で処理し、長時間熟成させるとメイラード反応の進みが早いため赤色が強くなります。逆に、大豆を低温で処理し、短期間熟成させたものはメイラード反応があまり進まないため、白味噌、または淡色系の味噌になるわけです。

赤系味噌高温で蒸した大豆を多く使い、長期間、高温で熟成させると色が濃くなり赤味噌になる。熟成期間は約2年ほど。一般に塩分濃度が高く、味は辛め。
淡色系味噌赤味噌と白味噌の中間色の味噌のこと。熟成期間は3ヶ月~1年程度。
白味噌茹でることにより、糖分やタンパク質を流し出した大豆を、精白した米や着色が進まない系統の麹と合わせ、短期間熟成させると白味噌になる。熟成期間は数週間。一般に塩分濃度は薄く、味は甘め。

味噌の作り方(淡色系の米味噌の場合)

1.大豆を購入する
まずは、原料となる大豆を購入します。カナダやアメリカなどから高品質で安価な大豆を購入する蔵元が多いですが、日本国内産のみを使用する蔵元もあります。大豆の品質が、味噌の出来映えを左右しますので、よい品質の大豆を購入することはとても大切です。
2.大豆を洗い、水に浸ける
大豆を水でよく洗い、汚れや不純物を取り除きます。その後、たっぷりの水に一晩(10時間以上)浸けておきます。大豆が十分に水を含み、2倍程度の大きさになったら、水切りをして温めます。
3.大豆を蒸して、細かくつぶす
高温・高圧で大豆を短時間で蒸し上げます。その後、細かくつぶして発酵しやすくします。
4.他の原料と混ぜる
大豆、米麹、塩、水を混合し、よく混ぜます。
5.仕込む(しこむ)
よく混ぜた原料を樽の中に入れます。これを「仕込み」といいます。このとき、材料の中に空気が入ると腐敗やカビの原因となりますので、空気が入らないように注意しながら仕込んでいきます。
6.発酵・熟成させる
仕込んだ味噌の上にふたを載せて密閉し、その上に重石を置いて空気を抜き、そのまま発酵・熟成させます。熟成期間は、半年~1年ほどです。
7.完成
風味豊かな熟成味噌のできあがりです!

 

次回は「味噌」が、いかにわたしたち日本人の生活に大きな影響を与えてきたのかを具体的にご紹介します。