日本の神話⑤「大国主(オオクニヌシ)」

19/01/2020

日本の神話④「因幡の裸ウサギ」では、心優しいオオナムチが、絶世の美女と結婚した話を紹介しました。しかしこれが原因で、オオナムチは意地悪な兄たちに嫉妬されてしました。

何度も命を狙われ、その方法もエスカレートしていきます。それで、オオナムチを匿っていた神に「お前の先祖のスサノオがいる、根(ね)の国(死者が住む地下の国)へ行きなさい」というアドバイスを受け、根の国を目指します。

スセリビメとの恋

根の国に着くと、美女スセリと出会いました。二人は結婚し、スセリの父の元へ挨拶に行きます。なんとその父親こそがスサノオでした。

日本は近代になるまで一夫多妻制でした。何人もの妻を娶ることは普通でしたが、まず親へと挨拶してから結婚するのが常識でした。順番を間違えてしまったオオナムチは、スサノオの不興を買ってしまいました。

しかしスサノオは怒鳴ったり乱暴したりせず、オオナムチを宮殿に招き入れ接待しました。ところが、寝室としてあてがわれた部屋は、蛇がうじゃうじゃいる部屋でした。スセリはこっそりと蛇除けの布を与えてオオナムチを助けました。

次の日の寝室は、蜂とムカデがうじゃうじゃいる部屋でしたが、これもスセリがこっそりと助けてくれました。このように何度か試練を与えても、その度にスセリがこっそり助けて生還するオオナムチを、スサノオは少しづつ認めるようになりました。

ある時、オオナムチとスセリは、スサノオが寝ているうちに髪の毛を柱に縛り付け、数々の武器を奪って逃げだしました。途中で起きたスサノオですが、髪の毛を縛られているため、起き上がれません。代わりに大声で怒鳴りました。

「俺の娘と暮らすのなら、その武器でお前の兄弟を倒し、偉大なる国主「大国主(オオクニヌシ)」となれ!そして娘を正妻にして、大きな宮殿に住むがいい、この野郎!」

こうして、故郷に帰ったオオナムチは、スサノオの言う通りに兄弟たちを倒し、大国主となりました。

大国主はもっと国を大きくするために日本中を旅し、道を作ったり、土砂を運んで平地を作ったりしたため、各地を整備した大国主の伝承が日本全国にいまでも残っています。