子どもと栄養(乳児期編)~母乳の場合~

素晴らしい「飲み物」

唐突ですが、皆さんに問題です。身体を動かすエネルギー源となる「炭水化物」や、臓器・筋肉などの元になる「タンパク質」、ホルモンや遺伝子の材料になったり栄養素の吸収・運搬を行ったりする「脂質」。これらの三大栄養素に加えて、栄養素を分解・合成するときに役立つ「酵素」や、三大栄養素の代謝を助ける「ビタミン」など、様々な栄養素が含まれている飲み物とは、何でしょう?

 

栄養素も免疫も

答えは「母乳」。生物が生命をつなぐ仕組みは、本当に素晴らしいですね。

母乳は、血液を主な材料として、乳房にある「乳腺」というところで作られます。お母さんの頭の中に「プロラクチン」というホルモンが分泌されると、乳房の中の毛細血管にたくさんの血液が送られます。この血液には栄養素は含まれていますが、赤血球は含まれていません。だから、母乳は血のような赤い色をしていないのです。

さらに、出産直後に分泌される初乳(黄色っぽい色で微量に出る乳汁)には、赤ちゃんを病気から守る免疫成分が含まれています。「プロラクチン」は赤ちゃんが乳房を吸う刺激で分泌されます。また、母乳を作る「乳腺」は母乳の通り道の役割も担っています。赤ちゃんが吸い付くことで乳汁の通りがよくなるため、母乳による育児はママと赤ちゃんの「二人三脚」と言えますね。

 

1日に何回くらい与えるの?

母乳は、ミルクに比べて消化吸収が早いため、3~4時間おきに与えます。つまり、1日に8~10回くらいおっぱいを飲むことになり、私も「なんだかおっぱいを出しっぱなしにしている気がするなぁ」と思っていました。しかし、きっちり3~4時間おきでなくても、赤ちゃんが欲しがっているようなら与えてください。

 

赤ちゃんの空腹のサインとして、泣いたりぐずったりすることが多いのですが、それ以外にも「口を開け、おっぱいを探すように顔を動かす」、「手や指、掛けている布団の端などを吸ったりしゃぶったりしている」といった仕草が挙げられます。おっぱいを欲しがっているように感じられなくても、乳首を赤ちゃんの口に含ませると飲むことがあるし、空腹・満腹に関係なく寝付くために、おっぱいを飲む子どももいます。

反対に、前回の授乳から5~6時間以上経っても欲しがらない場合も。個人差や赤ちゃんの気分によって、いろいろなケースがありますので、あまり神経質にならず、大らかに授乳しましょう。

適切な量とは?

母乳は赤ちゃんが実質、どれくらいの量を飲んでいるのかが見えません。おっぱいを飲ませている途中で、赤ちゃんが疲れて寝てしまうこともしばしば。だから、成長に必要な分量を飲めているのか心配になるママもいることでしょう。基本的に、赤ちゃんの機嫌が良く、健康であれば母乳は足りていると捉えてください。

 

体重が安定的に増えていて(1日に30~40g前後、1週間で200g前後が目安)、1日に8回程度の排泄があれば、母乳育児は順調です。

当然のことながら、お母さんが食べたもので母乳が作られます。栄養バランスが整ったものをおいしく食べて、赤ちゃんの成長をサポートしましょう。