日本の風習である「年賀状」-その意義とビジネスマナーを考える

19/01/2020

クリスマスや新年などのイベントを祝ったり、感謝の気持ちを表したりする場合に用いるグリーティングカード。日本でも新年、日頃からお世話になっている方々と「年賀状(年賀はがき)」を取り交わす文化が根づいています。

一方で、メールやSNSなどの普及により、若い世代を中心に年賀状を出す人は減り続けています。とはいえ、社会人なら、大事なお客様や取引先、またお世話になっている上司や同僚に向けたコミュニケーション・ツールとして年賀状を活用したいものです。

旧年中のお礼の気持ちや新しい年を迎える上で欠かせない、年賀状のマナーやその意義について考えてみましょう。

年賀状のなりたち

年賀状はとても古くからある習慣で、その歴史は平安時代(西暦794~1185年までの400年間)にまでさかのぼります。新年にお世話になった人や親戚などへの挨拶回りから発展していったものだといわれ、その後の江戸時代(1603~1868)には年始の挨拶代わりとして賀状が配達されるようになります。

郵便制度が整備された明治時代(1868~ 1912)には、郵便はがきの発行がスタートします。その頃、現在のように年末に投函し、元旦に年賀状を配達する形が導入されたようです。そして、昭和24(1949)年にお年玉付年賀はがきが登場。年賀状が日本人の年末、年始の風物詩として定着していった経緯があります。

感謝の意を伝える大切なツール

旧年中のお礼と、「今後もよろしくお願いいたします」という気持ちをこめて送る年賀状。先ほどお話したように、年々その意義は薄れつつあるのも事実です。

しかし手紙文化が薄れる今こそ、お客様や取引先の心に残る年賀状を出したいもの。マナーやルールにそった丁寧な年賀状なら、イメージアップにもつながるからです。以下のような点に気をつけて、年賀状の作成にチャレンジしてみましょう。

目上の相手なら賀詞(がし)に注意

賀詞とは、年賀状に欠かせない「賀正」や「迎春」などの祝いの言葉です。親しい友人、知人でないならば2文字の賀詞を用いるのはタブー。4文字の賀詞に含まれる「謹」「恭」「敬」「頌」などを使って初めて、相手を敬う意味合いになるとされています。また縦書きが基本です。

4文字の賀詞例

謹賀新年(きんがしんねん )
謹んで新年をお祝い申し上げますの意。

恭賀新年 (きょうがしんねん )
うやうやしく新年をお祝い申し上げますの意。

賀詞の後、旧年中のお礼を述べ、近況報告や抱負を書き、定型の言葉で締めめましょう。

文例

謹賀新年(賀詞)
旧年中は格別のご愛顧を賜わり厚く御礼申し上げます(お礼)
今年は新部署に移動となり心機一転、あらためて業務に努めていく所存です。変わらぬご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。(抱負)
皆さまのご多幸とますますのご繁栄をお祈り申し上げます(締め)

おめでたい新年に「忌み言葉」は避ける

「枯れる」「去る」「失う」「倒れる」「 衰える」「 破れる」 などの忌み言葉はNG。

デザインは派手すぎないように

取引先や目上の相手に出す場合、年賀状のデザインは華美すぎないほうがいいでしょう。文例集やフォーマットを利用したり、印刷業者に依頼したりする場合でも、抱負などを手書きにすると◎。

なお表書きについては、以前にもご紹介した『敬称の使い方に特に注意!郵便物と封筒マナー』も参考にし、失礼のないようにしましょう。日本郵便によると、例年、年賀はがきの引受開始は12月15日からで、12月25日までに投函すれば元旦に届く確率が高くなるとのことです。投函期間にも留意しておくことをおすすめします。

年賀状は、新年の1月7日までに出すのがマナー。それ以降は「寒中見舞い」として出すことになっています。その際には、遅れたことに対するメッセージを一言添えておくといいでしょう。